全顎インプラント埋入手術① (ソケットリフト、歯周外科手術、遊離歯肉移植術)
術前の状態、治療計画
患者 50代 女性
主訴 歯がぐらぐらするため歯周病ではないかと来院
診査診断 慢性歯周炎
治療計画 上顎は保存できる歯がないため全て抜歯を行い、下顎前歯は可能な限り良い条件でメンテナンスに入れるように歯周外科手術を予定した。上顎は全てインプラントにて修復し、下顎の奥歯もインプラントにて修復することとした。
第1段階 抜歯+ソケットプリザーベーション 第2段階 インプラント埋入手術 第3段階 歯周外科手術 第4段階 下顎インプラント周囲 遊離歯肉移植術
第1段階 抜歯+骨移植(ソケットプリザーベーション)
まず残存歯の抜歯を行い、骨移植(ソケットプリザーベーション)を行いました。ソケットプリザーベーションとは通常歯を抜歯すると抜歯後よりも骨のボリュームが減っていきます。その骨のボリュームの減少が起こるとインプラント治療を行う上で大ダメージです。
骨移植(ソケットプリザーベーション)はその骨の減少を最小限にしてくれると数々の論文では言われています。
私はインプラント治療予定部位の抜歯に関してはまず100%、骨移植(ソケットプリザーベーション)を行います。
またソケットプリザーベーションには他家骨を用います。
その後軟組織の治癒を6ヶ月間待ち、第2段階としてインプラント埋入手術(上顎8本、下顎4本)を行いました。上顎臼歯部はソケットリフトを併用した。
ソケットリフトとは上顎洞の一部に骨の移植を行う方法のことです。
インプラント埋入の際、骨にドリルで穴をあけますが、その穴より上顎洞に骨を移植します。
詳しくはホームページを参照にして下さい。
第3段階として下顎インプラント周囲に付着歯肉の幅が少なかったため遊離歯肉移植を行いました。
口蓋粘膜より遊離歯肉を採取し、インプラントの2次手術と同時に移植しました。
これを行うことによりインプラント周囲に厚みのある付着歯肉が得られます。付着歯肉がインプラント周囲に存在する利点としてメンテナンスがし易くなり(歯ブラシがし易くなる)、インプラント周囲炎の予防にもなります。
第4段階 最終補綴(上顎フルインプラント補綴、下顎臼歯部インプラント補綴)
第3段階 最終補綴
上顎はインプラントによる修復を行った。ネジとめによる固定性インプラント補綴を行った。患者さんによる取り外しは不可能で、完全に固定性補綴物である。
下顎臼歯部はセメントによるインプラント補綴を選択した。
下顎インプラント周囲には十分な付着歯肉が存在するためセメントによるインプラント補綴を選択した。
治療期間 2年程度
治療費 ソケットリフト 12万円
MWF(下顎前歯部) 12万円
遊離歯肉移植術(2カ所) 24万円
インプラント12本 約600万円
他院で歯周病治療をしているがいっこうに治らない方、歯周病で悩んでいる方、入れ歯の具合が悪い方や入れ歯では咬みにくいという方、他院にてインプラント治療が不可能と言われた方、セカンドオピニオンを当院では受け付けておりますので気軽にご相談下さい。
浦和駅徒歩1分 医療法人社団幸誠会 たぼ歯科医院 理事長
歯周病学会専門医,アメリカインプラント学会専門医
多保学